打田さんは多くの作品を手びねりにて製作されています。玉つくりで生地を伸ばし、その後に紐状の粘土(ひもつくり)を重ねて成形。乾燥後、スベスベになる位ヤスリをかけてきれいにしてから焼成しています。その滑らかな肌は、空気や光を吸い込んで優しく解く、有機物のような存在感を放ちます。ひとつとして同じ形がない彼女の作品は、まるでそれ自身が呼吸をしながら生きているかのようにも。
自分の作品を「”食器”というよりは”もの”として抽象的というか曖昧な存在感に寄せたいと考えています。」という打田さん。
FOOD FOR THOUGHT(フードフォーソート)で扱っている作家作品の中では個性的なベクトルを持つ作品群です。こういう作品を一つ持つことで生まれる思考の厚みや気づきを私たちはとても大事にしています。おすすめしたい作り手の一人です。
打田翠 略歴
1983 神戸生まれ
2005 大阪芸術大学工芸学科陶芸コース卒業
2007 多治見市陶磁器意匠研究所修了
現在、岐阜県瑞浪市にて制作
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