笠間で作陶されており、今や世界中で人気のある額賀章夫さん。 額賀さんの作品は、FOOD FOR THOUGHTディレクター渡辺有子も大好きで、自宅でも教室でも使用しています。 鎬、粉引、掛分など、一目で額賀さんの作品とわかるアイコニックな作品作りをされています。大振りでアーティスティックな花器なども、やはりパッと見ても額賀さんの作品とわかるのは、本当に優れた作家の証。

FOOD FOR THOUGHT（フードフォーソート）で特に人気の高いプリーツワーク（鎬）は額賀さんの代表的な技法。ベースの粉引も優しくて、プロポーションにも角がなく、土を直に触っているようなプリミティブな質感には、一度使ったらやめられない良さがあります。 ただし、縁錆と高台を黒彩して上下を締めたことや、わずかに時計回りに弧を描いた鎬の手の正確さからか、印象は非常にモダンで、数が揃うとアートワークのような印象。 よく回った昼光下では優しい印象ですが、夕暮れ時のサイドからの光の下では陰影がグッとでて、強い情感が現れます。これをみて「日本的だ」と感じる海外の方は多く、世界中にファンが多いのも頷ける所以です。

ただ、額賀さんの作品はアーティスティックなだけではありません。見た目の重厚さから、石皿のような重さを想像してもつと、驚くほど軽くてバランスに優れています。黒い高台はボトムヘビーに見えますが、全く違います。ボウルや鉢などは、持ち上げても指のどこにも力のかからないバランス分散の良さがあり感服させられます。 高いアート性とプラクティカルな使いやすさを兼ね備えた完璧な凄みを消して、何事もないように佇むのが額賀さんのプリーツワークです。

額賀章夫　N. ceramic studio 陶歴