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記事: 「秋田菫トランクショー」開催のお知らせ 7/13(SAT)-16(TUE)@上原店

「秋田菫トランクショー」開催のお知らせ 7/13(SAT)-16(TUE)@上原店

「秋田菫トランクショー」開催のお知らせ 7/13(SAT)-16(TUE)@上原店

FOOD FOR THOUGHT上原店では、来る2024年7月13日(土)から7月16日(火)の期間、陶芸家・秋田菫さんトランクショーを開催いたします。

私店主は写真家を生業としていますが、ポートレート、特に全身が入る時は写真に映るのはその人物の顔かたちだけではなくて、その人物の”居方”です。さらに組写真の場合はその居方の集合体となり、隠せない本質が現れてきます。

特に俳優さんなどは連続して人目に曝される訳で、自身の居方のコンシステンシーが命だと思います。美しかったり激しかったり楚々としていたりのびやかだったり、その人なりの強みを一貫して表現できている人は強いと思います。居方に矛盾があると、その矛盾はすぐに見抜かれ、作品にまで綻びが出ると思います。あるいは主張がないように見せるのもひとつの居方です。

秋田菫さんの作品を並べて見た時、私は普段写真の仕事で感じている上記の事を思い出しました。

秋田さんの作品には、強烈な居方のコンシステンシーがあります。

繊細で緻密で、儚げでもあって、故きを温ねるロマンティックさも感じる。ただ、釉薬の掛け方や高台の処理を見て、今までに感じたことのないモダンさを感じました。

古唐津に倣うだけではなく、抜群のセンスで意匠どうしが絡み合い、デザインされている気持ちよさ。ひとつの作品を見て感じる居方の強さは、塊でみると実は全てに一貫していて、どこにも矛盾がない感じ。

頭の中にしっかりと理想があり、手が頭についてきているのだろうなと思います。思い切りの良さもあり、それがしっかりデザインとなって作品に現れている。

そして私が一番好きなのは、不完全性をも作品の味方につけているところ。裏を見て、釉薬の掛かりと素地のバランスを見ていると、秋田さんがかなり思い切って一瞬を切り取っていることが分かります。そして偶発的なその水分の炸裂が本当に洒脱に作品に落とし込まれています。

作家がデザインの原点のひとつとして挙げてくれたのがミケランジェロの「ロンダニーニのピエタ」。未完成であり表面的には矛盾を残しながら、中心に一筋通った体幹の強さと、不完全性がもたらす美しさがあり、鑿を入れようにもこれ以上もこれ以下も考えづらい作品です。

秋田さんの作品には、一貫してそんな儚げな美しさがあるのです。薪窯特有のとろみある味わいも、作家が費やした途方も無いカロリーと時間を想像させ、尊い気持ちになります。

さて、武蔵美の陶磁専攻を卒業した秋田さんですが、陶芸を選んだきっかけとして「1年次に一通り工芸専攻の実習をするのですが、一番肌に合った素材が土でした。普段のくらしの中で使うものを作りたかったというのもあります。」と答えてくれました。

その言葉通り、美しさだけではなく、普段使いに本当に重宝するサイズとアイテムが揃います。どれも手取り抜群。

東京を離れ唐津に移住し、竹花正弘さんに師事されていた秋田さん。文武兼備の仕事になるほどと納得させられました。作家はそのまま唐津の地で登窯を自ら築窯し制作されています。

秋田さんの器に囲まれる暮らし、きっと素敵です。日常に少しの潤いが生まれ、生活に変化が生まれるはずです。それが私たちFOOD FOR THOUGHTが目指していることです。

ぜひ期間中、上原で”器の居方”を感じてください。今必ず見ていただきたい作品群です。

スタッフ一同、みなさまのお運び心よりお待ちしております。

FOOD FOR THOUGHT 五十嵐隆裕

秋田菫 Sumire Akita 陶歴

1995年 神奈川県生まれ

2018年 武蔵野美術大学陶磁専攻卒業

2018年 竹花正弘に師事

2022-23年 独立/築窯

「秋田菫トランクショー」

FOOD FOR THOUGHT上原店
〒151-0064 渋谷区上原2-33-4 1階店舗

03-6416-8294

7/13(土)-7/16(火)

11:00-18:00