18 prayer 土

途方もない手間と時間がかかる「鋳造」という技法で制作されている熊谷さん。
“手を合わせるように、静かに思いを向けるひととき”——
そんな時間が、日々の心をやさしく整えてくれる。
本展は、その感覚を形にしてきた熊谷さんのシリーズ「Prayer」を中心に制作いただきました。

「Prayer」は特定の宗教や信仰に基づいたものではありません。多様な要素がミックスされていることで、国籍や信仰に関わらずどんな人が見ても安心感を覚えるような懐の深さがあります。愛らしく感じたり、少しおかしみを感じたりと、見る側が自由に捉えて良いのです。

素材自体も、そして陶土、金属など異素材の物がミックスしてひとつになっています。「異なるものたちが仲良くひとつの形になっていることに意味があるんです」と熊谷さん。そのお話を聞くことで、このかみさまが平和の象徴のようにも感じます。

土地の神様を祀るための形が起源の土という漢字。土は万物を生み出す大きな力が宿っていると信じられてきた、日本のアニミズムの根源でもあります。

大切な作物を育てるにも、私たちが安心して暮らすことができる家を建てるにも、器を作る時にも。改めて考えを巡らせると、その存在から日々の暮らしの中で大切なものをたくさんいただいてきたことに気づきます。

作品は表面に施された土の影響で、仄暗い場所では土器の様相に。反対に光が逆光で当たる場所では眠っていた色が爆発するように輝きます。

作家自身がもちろんある程度意図的に作り出す色のマジックですが、最終的には熱とガラスの戦いの痕が偶発的にこの美しいカラーを作り出します。

作品は全てが一点物。形も色も二度と同じ個体には出会えません。

高さ : 約11cm / 土台長辺 : 約12.5cm
作家作品のため、釉薬、色、サイズに個体差があります。

*返品・返金は一切お受けできません。ご購入の際は、ご理解頂きますようお願い致します。